【将棋の戦法と定跡の覚え方!】初心者におすすめなのは基本的な戦法

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【将棋の戦法と定跡の覚え方!】初心者におすすめなのは基本的な戦法
  • 将棋の戦法と定跡が何かわからない
  • 初めて将棋を指したら一方的にボコボコにされた
  • 最初の一手は何を指せばいいのかわからない
  • 定跡本の選び方が知りたい

将棋は日本の古典的なボードゲームであり、深い戦術と戦略が求められます。あなたも「将棋を始めてみようかな」と思い立ち、一局や二局指してみたことがあるかもしれません。

でも、初めての相手があまりにも強くて戸惑い、なんだか一方的に攻め込まれた経験はありませんか?そのような状況で、何が自分に足りないのかを知りたくないですか?

この問題は、しばしば「定跡」と「駒の連携」に起因することが多いです。これらの要素を理解しないままプレーをすると、対局は一方的になりがちです。

特に初心者や初級者は、これらの基礎が不明瞭であることが多く、短期間で成長する障壁となっています

この記事は、定跡と駒の連携に関する説明と、それらを学ぶ上での最良の方法を提供します。筆者は将棋界での長い経験と研究をもとに、確かな権威性で内容をお届けします。

記事を読めば、定跡の意義や効果的な勉強法、さらには駒の連携の重要性とその練習法までが手に入ります。

将棋の戦法について

戦法について

将棋は戦略の世界であり、その中でも「居飛車」と「振り飛車」は戦術の二大柱です。

これらの戦法はそれぞれ独自の理念と特色を有しており、プレイヤーは相手や局面に応じて最適な手法を選択する知恵が求められます。

居飛車が攻めの姿勢を、振り飛車が堅牢な守りを重視する点で異なり、どちらも将棋戦略の深さを象徴しています。

居飛車と振り飛車:基本的な違いとその哲学

「居飛車」と「振り飛車」は将棋の基本的な戦法であり、それぞれ異なる戦術哲学に基づいています。居飛車は、飛車を元の位置(居る位置)に置いたまま進行する戦法です。

対して、振り飛車は飛車を移動させて攻めるスタイルです。簡単に言えば、居飛車は「家にいる感じ」、振り飛車は「外に出て冒険する感じ」と考えていいでしょう。

この基本的な違いは、各戦法が重視する攻防バランスにも影響を与えます。

居飛車の特徴:攻めやすい居飛車とその戦術

居飛車は、基本的に攻めやすい性格を持っています。飛車が初めから前線にいるため、早くから攻めの姿勢を取れます。それはまるで、自宅で練習してきた戦術を忠実に実行するような感じです。

具体的には、矢倉や対振り飛車穴熊など、多くの攻撃パターンが存在します。この戦法では、相手の玉(キング)に対して積極的な攻撃を仕掛けることが多く、自分の守りは比較的二の次になる場合があります。

また、居飛車の攻撃力は非常に高い一方で、守りが疎かになると突破されやすい側面もあります。特に、自分の玉の守りを怠ると、反撃によって一気に形勢が逆転する可能性があります。

そのため、攻撃だけでなく、バランスよく守りも考慮する必要があります。

振り飛車の特徴:守りを固めやすい振り飛車とその戦術

振り飛車は、一般に防御的な戦法とされます。飛車が動くことで、他の駒でしっかりと守りを固められるのです。イメージとしては、外出前に家をしっかりと施錠するような感じです。

四間飛車や三間飛車など、多くのバリエーションが存在し、それぞれに独特の戦術があります。

振り飛車の美点は、相手の攻撃に対してしっかりと防御する能力があり、それでいて必要な瞬間には強力な反撃も可能です。

振り飛車の戦法が防御的なため、時には反撃のタイミングを逃しやすい側面もあります。特に、相手が居飛車で積極的に攻めてきた場合、ただ守っているだけでは形勢が不利になる可能性があります。

そのため、防御だけでなく、しっかりとした反撃の準備と実行が必要です。

居飛車と振り飛車はどちらが優れているか?

結論として、居飛車と振り飛車のどちらが優れているとは一概に言えません。それぞれに長所と短所があり、その日の相手や局面によって最適な戦法が変わります。

ただし、居飛車は攻撃的なプレイが得意であり、振り飛車は守備と反撃が得意です。

この特性を理解し、自分のスタイルや相手の戦術に合わせて戦法を選ぶことが重要です。

将棋基本戦法一覧:居飛車系の戦法

基本戦法

将棋の基本戦法の中で、居飛車系の戦法は、堅固な布陣を築きつつ、着実に攻めのチャンスをうかがうスタイルです。

矢倉から角換わり、横歩取り、相掛かりまで、それぞれに特徴的な戦術が展開され、プレイヤーの戦略的思考を深く反映します。

初心者から上級者まで、多くの棋士に選ばれ続けるこれらの戦法は、変遷を遂げながらも将棋の醍醐味を伝える重要な要素となっています。

矢倉

矢倉戦法は将棋における一つの古くから存在する戦法で、この戦法は特定の駒の配置、すなわち「矢倉囲い」を基盤としています。

矢倉囲いの構築は将棋の基本を学びながら強さを磨くための良い方法であり、この囲いの組み方とその後の攻め方を理解することは重要です​​。

矢倉囲いは通常、玉将を8八に、左金を7八、右金を6七に、そして左銀を7七に移動させることを含みます。

この囲いの形成には、角の適切な移動が必要であり、特に相矢倉の場合、角は6八の位置に来ることが多いですが、4六や5七、2六の位置に来ることもあります​​。

矢倉の基本的な手順には、いくつかの移動が含まれ、通常は7六歩から始まり、その後6六歩、6八銀、7七銀、7八金、5八金、6七金(右)、7九角、6八角、6九王、7九王、そして8八王と続きます。

ポイント

矢倉囲いを形成する際のポイントとして、最初に角道を開けることが重要であり、これにより相手の飛車が攻めてきたときに銀の受けが間に合うようになります。

また、角を交換することを防ぐために、相手からの角の筋を閉ざし、ゆっくりと矢倉囲いを形成することも重要です​。

角換わり

角換わり戦法は、将棋における伝統的で広く知られた戦法の一つであり、この戦法は序盤において角の交換を重視します。

具体的には、序盤の段階で角を交換した後、隙を作らないように駒組します。

双方が角を手持ちにして戦場を構築する方法であり、これにより新たな攻撃ルートや防御機構を作り出すことができます。

角換わり戦法では、「角の打ち込み」が重要な要素となっており、角を打ち込むタイミングが勝敗を分けることもあります。

このため、角換わり戦法を用いる際には、角の打ち込みのタイミングを見計らいながら、角組みを進めていく必要があります。

また、この戦法は角の有効活用を重視する点で特徴があり、角の動きを理解し、効果的に活用することが求められます​​。

横歩取り

横歩取り戦法は将棋の代表的な戦法の一つで、この戦法は基本的には先手が15手目に3四の歩を飛車で取ることから始まります​​。

この戦法の基本的な進行は以下の通りです:▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛​​。

横歩取り戦法は、積極的に戦うスタイルの戦法であり、相掛かり戦法と同じく攻めの姿勢を取ります。

しかし、横歩取りはお互いの角道が開いており、角交換によって序盤から大決戦に突入することもあり、これが横歩取りの特徴とも言えます​​。

特に、お互いの角がぶつかったまま飛車先をどんどん伸ばしていくことが特徴であり、先手が3四の歩を飛車で取ることで「横歩取り」の戦型が確定します​​。

横歩取りは大駒を交換するような激しい急戦になることが多く、プロ棋士同士の対局では序盤での大崩れは少ないものの、アマチュアプレイヤー同士の対局では荒れた戦いになることもあります。

ちょっとしたミスが即負けにつながるような展開もあるため、じっくりとした将棋を好むプレイヤーには向いていないかもしれません。

しかし、「攻め将棋」を好むプレイヤーや、「じっくり守るより激しい将棋が好き」というプレイヤーには向いていると考えられます

相掛かり

相掛かり戦法は将棋の伝統的な戦法で、両プレイヤーが飛車先の歩を進めることを特徴としています。

具体的には、初手からお互いに飛車先を突いていく戦法であり、以下のような進行が一般的です:▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩。

相掛かり戦法は、積極的な戦法であり、お互いの飛車先の歩を付き合いながら進めます。通常、角道を開けずに飛車先の歩を伸ばし、先手が歩を交換することから始まります。

その後、▲2六飛と引いて後手の歩交換を阻むか、▲2八飛と深く引くことがあります。この戦法にはさまざまな変化があり、ひねり飛車、棒銀、腰掛け銀などの戦術が可能となります。

相掛かり戦法は先手、後手ともに手が広く、構想力が問われる戦法で、急戦から持久戦まで多様な展開が可能です​​

相掛かり戦法は、相居飛車の位置から飛車先の歩兵を進めることを特徴としています。また、相掛かり戦法は矢倉戦や角換わり戦と異なり、飛車先を交換する変化と交換しない変化の両方が存在します​​。

相掛かり戦法は古くから存在しているものの、現代でもプロの対局やタイトル戦で使用されており、藤井聡太選手をはじめとする若手プロ棋士の間でも人気があります​​。

それにより、相掛かり戦法を学ぶことは現代のプロ棋士の対局を理解する上で役立つでしょう。

将棋基本戦法一覧:振り飛車系の戦法

基本戦法2

将棋における戦法は多岐にわたり、その中でも「振り飛車系」の戦法は、その攻撃性と多様性で知られています。

振り飛車とは、飛車を端から端へと大胆に振ることで相手玉に直接圧力をかける作戦の総称です。この系統の戦法は、攻撃的な展開を好むプレイヤーには特に魅力的であり、様々なバリエーションが存在しています。

四間飛車、三間飛車、向かい飛車、中飛車、角交換振り飛車、相振り飛車といった主要な戦法は、それぞれ独自の駒組みと戦略を持ち、局面に応じた複雑な駆け引きが求められます。

四間飛車

四間飛車戦法は将棋の振り飛車の一種で、この戦法は飛車を中段の4筋に配置することにより、盤面全体への攻撃を目指します​​。

具体的には、先手の場合飛車を6筋に、後手の場合は4筋に振ります。この名称は、飛車が左から数えて四マス目の位置にあることから名付けられました​​。

四間飛車戦法は攻守のバランスに優れており、プロアマ問わず人気があります。

この戦法は、振り飛車の中でも扱いやすく、美濃囲いを基本的な囲いとして用いますが、戦局によっては居玉や穴熊囲いまで固めることもあります。

また、非常に柔軟性が高く、向かい飛車や中飛車、石田流に組み直すことも可能で、これが四間飛車がよく指される理由とされています​​。

この戦法は受け・待ちの戦法ともされており、初心者にもおすすめされることがあります。四間飛車の囲いは基本的な駒組みであり、美しいと評されることもあるようです​​。

四間飛車戦法を理解し、自分のスタイルに合わせて急戦や持久戦の特徴を把握することで、さまざまな戦局に対応できるようになるでしょう

三間飛車

三間飛車戦法は将棋の振り飛車戦法の一種で、この戦法では飛車を先手なら7筋、後手なら3筋に振ります​​。三間飛車戦法の名称は、飛車が左から3筋目の地点に位置することからつけられました​​。

通常の三間飛車戦法では、飛車を三筋に振った後、角道を止めて駒組を行い、玉は右側に寄せます。ここからは相手の動きに応じて、急戦なら美濃囲い、持久戦であれば穴熊を選択できます。

この戦法は基本的に、相手が攻めてくるのを待ち、カウンターのような感じで大駒を使って戦うスタイルです​​。

三間飛車戦法は他の振り飛車戦法と比べて防御力が高く、飛車の側にいる銀が玉の守りにつくこともでき、場合によっては3筋の守りにもつくことができます。

この戦法では手堅く構えて居飛車側の攻めを迎え撃ち、飛車と角の捌き方が重要なポイントとなります。守備に重点を置き、着実なプレイが求められるため、玄人に好まれる戦法とされています​​。

さらに、三間飛車戦法にはいくつかのバリエーションがあり、その中でもノーマル三間飛車、石田流、コーヤン流、トマホーク戦法などがあります

向かい飛車

向かい飛車は将棋の振り飛車戦法の一つで、この戦法は飛車を2間に振ることを基本としています。

具体的には、先手の場合は飛車を8筋、後手の場合は飛車を2筋に振り、相手の居飛車の位置に飛車を配置します。この配置により、相手の飛車の動きを制限し、同時に自身の飛車の活動範囲を広げることができます。

向かい飛車の特徴は、相手の飛車を牽制する構えを取りながら、囲いをしっかりと固めたり、急戦を仕掛けることが可能である点にあります。

飛車交換をすると向かい飛車側が優勢になることが多く、この戦法は居飛車対振り飛車の局面でバランスが良く、攻守に隙が少ないため、多くのプレイヤーにとって出現率が高い戦法とされています。

また、向かい飛車は中盤戦での打開策としても有効であり、飛車と歩、そして他の駒の連携により、効果的な攻撃を仕掛けることができます

中飛車

中飛車戦法は、将棋の戦法の一つで、振り飛車戦法に分類されます。この戦法の基本は、飛車を盤面の中央の5筋に振ることです。

この配置は、飛車を中心とした攻防のバランスを保ちながら、効果的に攻撃と防御を行うことを可能にします​​。

中飛車戦法は、振り飛車の中でも人気があり、特に攻めが好きなプレイヤーに推奨される戦法とされています。飛車を中央に配置することで、相手の玉に近く攻めやすくなり、また自身の玉の防御も固めやすくなります。

この戦法は、振り飛車の中でもバランスが良く、攻守に隙が少ないため、多くのプレイヤーにとって出現率が高い戦法とされています​​。

中飛車戦法においては、一般的に上の図のような陣形を取り、全体的にバランスがよく、中央から動いて戦いに入ると、居飛車の玉が近いだけに威力を発揮することがポイントとなります

この戦法は、先手でも後手でも使用することが可能で、飛車を5筋(中央の列、初期状態で玉将がいる列)に振ることが特徴です​。

角交換振り飛車

角交換振り飛車(かくこうかんふりびしゃ)は将棋の戦法の一種で、振り飛車側が角道を止めず、または振り飛車側から角交換を行った状態で駒組みをする戦法とされています​。

ポイント

この戦法は、どちらのプレイヤーが居飛車側であるかに関わらず、角交換振り飛車を用いるプレイヤーは『5七銀、6八金、7七桂、8九飛』の陣形を作ることを目指します​​。

角交換振り飛車は主に後手番で指される戦法とされていますが、先手番でもこの戦法を採用したいプレイヤーは多いと言われています。しかし、先手の3手目が困難であることが指摘されています​​。

この戦法の基本的な目的は、振り飛車側から角交換を行い、居飛車の囲いを制限することにあります。

これは、振り飛車側にとって常套手段とされており、この戦法における様々な形や囲いに対する対策が広範囲にわたって考察されています​​。

相振り飛車

相振り飛車戦法(あいふりびしゃせんぽう)は将棋における戦法の一つで、両対局者が飛車を振る戦法です​​。

この戦法は、先手が振り飛車を選んだ場合に、後手も振り飛車を選ぶことで発生し、この結果、相居飛車のような縦の戦いが展開されることがあります​​。

相振り飛車戦法は通常の対抗系とは異なる感覚を持ち、先手振り飛車に対して後手がどこに振るかによって戦法が変わり、その種類は非常に多様です。

相振り飛車戦法における先手振り飛車対後手の様々な対策が基本的な概念として取り入れられています​​。

相振り飛車戦法は、居飛車対振り飛車戦法や相居飛車戦法と比較して実践例が少なく、未開拓な部分が多いとされています。

このため、力戦調の将棋になりやすい戦法であり、お互いに飛車を振らなければ相振り飛車にはならないため、プロの対局でこの戦法が発生することは少ないです​。

初心者におすすめの戦法と攻め方

武士の攻め方

将棋は攻めと守りの美しいバランスが要求されるゲームです。初心者にとって適した戦法を見つけることは、将棋を深く理解する第一歩となります。

ここでは、初心者に特におすすめの戦法と、それらを用いた効果的な攻め方をご紹介します。

矢倉や四間飛車を基軸に、奇襲戦法の駆使まで、あなたの将棋ライフを充実させるヒントが満載です。

居飛車と振り飛車の選び方

初心者にとって、将棋の戦法選びは初めての一歩となる重要なステップです。

居飛車と振り飛車のどちらを選ぶかは個々のプレイスタイルに依存しますが、基本的なおすすめは、居飛車では矢倉、振り飛車では四間飛車です。

これらの戦法は、その性質が比較的シンプルでありながら効果的で、バランスが非常によく取れています。

矢倉は守備と攻撃の理想的な組み合わせ

居飛車で矢倉を採用する場合、その長所は守備と攻撃のバランスが非常に良い点です。

初心者がしっかりと矢倉の形を築くことで、堅牢な守備を構築しつつ、攻撃の準備も同時に進められます。

矢倉は非常に直感的な戦法であり、初心者でも短期間で基本的な概念を掴むことができます。

四間飛車でカウンターを狙う

振り飛車で四間飛車を選ぶ場合、その特徴は飛車の攻撃範囲が広がる点です。

四間飛車は確かに少し高度な戦法ですが、一度理解してしまえば非常に強力な攻撃を仕掛けることができます。

飛車が広範囲に動けるため、多方向からの攻撃が可能となり、初心者でも感覚的に攻撃の楽しさを感じることができるでしょう。

奇襲戦法は高リスク、高リターンの選択

奇襲戦法は、相手を驚かせて一気に有利な状況を作り出す戦法です。

このような戦法は非常に効果的である一方で、リスクも高いため、使用には注意が必要です。

奇襲戦法を効果的に使いこなすには、まず基本的な戦法とその原理をしっかりと理解しておくことが不可欠です。

奇襲戦法の使い時

奇襲戦法は主に相手が予想しないようなタイミングや状況で使います。その意外性が相手に混乱をもたらし、あなた自身が有利に戦える状況を生み出すことが多いです。

しかし、奇襲が成功しなかった場合、逆に自分が不利な状況に陥る可能性もあります。

そのため、奇襲戦法は基本戦法をしっかりとマスターした上で、さらなる戦術の一つとして取り入れるようにしましょう。

将棋の定跡とは?

武士が考えている

将棋における定跡は、数百年にわたる実戦から練り上げられた序盤の手順の宝庫です。

これらの定跡を学ぶことで、プレイヤーは戦いの初期段階で有利なポジションを得るための知識と技術を身につけることができます。

本稿では、定跡の基本的な意義と有用性、知らないと生じるリスク、そして定跡が日々進化し続けるダイナミックな性質について詳しく解説し、定跡の学び方とその利用についてのアドバイスを提供します。

定跡の意義とその有用性

定跡とは、一言で言えば「事前に検証された最善手や一連の手順」です。定跡を覚えて理解することで、初手から優位な局面を築く可能性が高くなります。

これは将棋において極めて重要な要素であり、多くのプロの棋士もその研究に多くの時間を費やしています。

初心者から上級者まで、定跡の知識は必須であり、それを知っているか否かで、局面の進行が大きく変わることが多いのです。

知らないとリスクが増大する一面性

定跡を覚えていないと、相手がその定跡をしっかりと理解している場合、一方的に攻め込まれるリスクが非常に高くなります。

この状況は、相手が地元の道を熟知しているのに対して、自分が初めてその地に足を踏み入れたかのようなものです。

具体的には、序盤での駒の配置や手順が効率的でないために、中盤以降で圧倒される可能性が高まります。

定跡は日々進化している動的な存在

将棋の定跡は決して一定ではありません。新しい戦法や手順が日々発見され、それによって定跡自体も更新されます。

この動的な側面は、学問や科学が進化するのと同じように、将棋もその複雑性と深みを増していると言えます。

多くの棋士や研究者が新しい定跡を発表し、それが広く受け入れられれば、その定跡が新たな「標準」になることもあります。

定跡は重要だが無限に覚える必要はない

定跡を覚えることは確かに有用であり、多くの場合で有利な局面を作るためには不可欠です。しかし、無数に存在する定跡を全て覚える必要はありません。

実際、それは非現実的であり、覚えるべきは自分の得意な戦法や状況に適した定跡です。

将棋は多様な局面があり、そのすべてに対応する定跡が存在するわけではないため、効率よく必要なものだけを覚え、それを活用するスキルが求められます。

以上のように、定跡は将棋での戦い方に多大な影響を与える要素であり、その理解と適用は各プレイヤーのスキル向上に直結しています。

しかし、定跡にも限界があり、そのすべてを覚えようとするのは非効率的です。重要なのは、自分のスタイルに合った定跡を理解し、それをうまく局面に適用する能力です

初級者向けの定跡と学習の落とし穴

武士が考える学習の落とし穴

将棋初級者の成長過程において、定跡はしばしば重要なマイルストーンとなります。

しかし、初級者がその重要性を誤解し、定跡の暗記に過度に依存すると、学習の落とし穴に落ちるリスクが生じます。

本稿では、級者が定跡を学ぶ際に陥りがちな問題点を明らかにし、それを回避するための実践的なアドバイスを提供します。

定跡だけを覚えていても不十分な理由

多くの初級者が陥る誤解の一つは、定跡さえ覚えれば強くなれるというものです。確かに、定跡を知っていることは多くの局面で有利に働きますが、それだけでは十分ではありません

理由の一つとしては、定跡の先の展開や相手からの意外な手に柔軟に対応できないと、局面はすぐに不利になります。

例えば、相手が定跡から外れた手を指した場合や、突如として奇襲戦法を使ってきた場合などに、定跡だけでは対応が難しくなるのです。

手筋そのものを理解していない問題点

定跡には、その一手一手に具体的な意味や戦術的な価値があります。

定跡をただ暗記するだけでなく、その裏にある「なぜこの手が良いのか」という理由を理解していないと、定跡はただの手順に過ぎません。

この理解がないと、意味もなく手を進めるだけで、大局的な戦術や戦略が疎かになりがちです。

定跡から外れた時の戦術的脆弱性

定跡に習熟していても、その定跡から外れた状況に遭遇した時に戸惑ってしまうことはよくあります。

このような戦術的な脆弱性を克服するには、定跡以外の基本的な戦術知識が必要となります。

棋譜の読み方や駒の価値、局面の評価など、基礎的なスキルが不足していると、定跡から外れた瞬間に厳しい状況に陥りやすくなります。

定跡の多さと個々の戦法への特化の必要性

将棋の定跡は非常に多く、それを全て覚えようと思っても現実的ではありません。

この点でも初級者がつまづきやすいのですが、一つの解決策としては、自分の得意とする、または興味を持った戦法に特化して定跡を学ぶことがあります。

特定の戦法に焦点を当てることで、その戦法に最適な手順や変化を習得しやすくなります。

定跡の学習手順と効果的な勉強法

武士の効果的な学習方法

将棋を戦う上での指針となる定跡。しかし、ただ闇雲に覚えるのではなく、その習得には戦略的なアプローチが求められます。

本稿では、対局から得られる生の体験を踏まえた定跡の選択から、理論を実践に結びつける学習資料の選定、そして全体的な将棋力の向上を促すバランスの取れた勉強法まで、一貫した学習プロセスを提案します。

これにより、定跡をただ暗記するのではなく、それぞれの手が持つ意味を深く理解し、実戦での応用力を養うことができるのです。

ステップ1: 対局をする – 自分に合った戦法と定跡の探索

対局を積極的に行い、多くの経験を積むことが非常に重要です。これによって、どの戦法や定跡が自分に合っているのかを探る基盤ができます。

初心者や中級者は、自分が何に強い、または何に興味があるのかを知ることから始めるべきです。

例えば、攻撃的なスタイルが好きなら、居飛車や角道オープン型の振り飛車系の定跡に注目することができます。

逆に、守備的なプレイを得意とするなら、角道を閉じた振り飛車の定跡に焦点を当てると良いでしょう。

ステップ2: 定跡書を読む – 理論と実践の橋渡し

対局経験を基に、自分のスタイルに合った定跡書を読むことが次に重要です。このステップで、あなたが対局で感じた疑問点や弱点を補完することができます。

また、定跡書には多くの変化や細かいポイントが書かれているので、その知識を元に自分の戦術を磨くことができます。

実践で使える手筋やコツ、高度な戦術など、書籍を通して多角的に学ぶことが可能です。

他の勉強方法とのバランス – 一面的な学びを避ける

定跡だけを学ぶのではなく、その他の要素もバランスよく学ぶことが重要です。

例えば、駒の基本的な使い方、序盤・中盤・終盤の戦術、棋譜の読み方など、定跡以外の多くの要素が実戦で役立ちます。

特に、定跡に囚われずに自由な発想で手を考えられるように、基礎的な理論や戦術にも目を向けるべきです。

将棋初心者の定跡の覚え方、勉強の方法の4つのポイント

  1. 理解できる範囲で定跡を覚える:定跡は非常に多く、すべてを覚えようとすると圧倒されます。そこで、まずは自分が理解できる範囲で定跡を覚えましょう。
  2. 実際に対局して試す:覚えた定跡は、実際の対局で試してみることが大切です。これによって、理論と実践のギャップを埋めることができます。
  3. 過去の有名な対局を研究する:歴代の名局や有名プレイヤーの対局を研究することで、定跡の背後にある戦術や戦略を理解することができます。
  4. 将棋ソフトやアプリで定跡を確認する:現代のテクノロジーを活用して、将棋ソフトやアプリで定跡を確認する方法も有効です。多くのソフトは強力なAIを使用しており、高度な定跡や戦術を提供しています

将棋定跡本の選び方と選定のコツ

武士の本の選び方

将棋の世界において、定跡本はゲームの深淵を探求する羅針盤です。

適切な一冊を選ぶためには、棋力に応じたレベル感、興味ある戦法への特化、そして憧れの棋士による深い洞察を兼ね備えた内容が理想的。

これらをバランスよく取り入れることで、学習は実戦的かつ魅力的なものに変わります。

定跡本の役割と種類

  1. 将棋の定跡本は、戦術や戦略、定跡の理解に非常に役立つ教材です。
  2. これらの本は一般的に、基礎的な初手から複雑な局面に至るまで、多様な話題とテクニックをカバーしています。
  3. さらに、認知度の高い棋士から新進の棋士まで、多くの専門家によって執筆されているため、読者の関心や棋力に合わせて選ぶことができます。

2種類のセットで揃える方法

  1. 定跡本の選択にあたっては、居飛車プレイヤーであれば相居飛車に関する書籍を2冊程度選び、振り飛車ファンならば好みの振り飛車戦法についての本を先手と後手の両方から学べるものを1冊選ぶことを推奨します。
  2. 加えて、居飛車党には対抗形の定跡を、振り飛車党には相振り飛車の定跡を扱った教材と合わせて読むことで、基本的な知識と特定の戦法への理解が同時に深まります。
  3. このように、一般的な戦法と特定の応用戦法をカバーする定跡本を組み合わせることで、内容の相互補完を通じて、より実戦に近い形での深い理解と応用力が養われるでしょう。

棋力に合わせて選ぶコツ

  1. 定跡本を選ぶには、自分の棋力に合ったレベルの本を選ぶことが非常に重要です。
  2. 例えば、初心者の方は、初級者向けの本から入り、基本的な定跡や戦術をしっかりと習得してから次のステップに進むと良いでしょう。
  3. 中級者や上級者は、より高度なテクニックや戦術に焦点を当てた本を選ぶことで、スキルのブラッシュアップが期待できます。
  4. このように、自分のレベルに合わせて段階的に本を選んでいくことで、効率的にスキルを向上させることができます。

憧れの棋士が書いた書籍の魅力

  1. 好きな棋士が書いた定跡本には、その棋士自身の戦術や考え方が詳細に解説されています。
  2. これは単なる知識の習得以上に、その棋士の精神的な側面や戦術的な独自性を深く理解する良い機会となります。
  3. さらに、尊敬する棋士の思考法を学ぶことは、モチベーションの向上にも非常に貢献します。
  4. そのため、自分が感銘を受ける棋士の本を一冊は手元に置いておくことで、将棋の学習がさらに楽しく、そして効果的になるでしょう。

まとめ

この記事では、将棋の定跡と駒の連携、それに加えて定跡本の選び方について詳しく解説しました。

要点をまとめると以下の通り。

  • 定跡を覚えると局面が有利に進む可能性が高くなります、また定跡は日々進化しています。
  • 駒の連携は将棋の基本であり、駒が協力しないと強力な攻撃も防御もできません。
  • 定跡本選びでは、自分の棋力に合った本を選び、憧れの棋士が書いた本も参考にするとよいでしょう。

将棋の定跡と駒の連携では、実践と理論のバランスが重要なポイントとなります。

将棋の学習では、ぜひこのポイントを押さえて、実際の対局で試してみてください。

将棋初段になる勉強法を詳しく知りたい方は【将棋アマチュア初段を目指す】効果的な将棋勉強法と本まとめもどうぞ

この記事を書いた人

ゆる
ゆる
10代で将棋のルールを覚えるも、定跡の存在を知らず挫折する。大人になって将棋熱が再燃し、詰将棋や定跡を猛勉強。将棋サイトに登録し、ノンストップで 将棋ウォーズで5級まで到達しました。その後も学習を続け、2級、1級と昇級しましたが、1級で長く伸び悩みました。PDCAサイクルを導入したり、師匠に教わったりして、ついに初段に昇級。現在は指し将棋は休止中にし、将棋ブログを執筆しています。

将棋歴:11年/段位:アマチュア初段

資格・実績:将棋ウォーズ初段の達成率最高86%/将棋倶楽部24は最高R716