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- 将棋の囲いについて詳しく知りたい
- 初心者におすすめの囲いはある?
- 耐久性に特化した将棋の囲いランキングが知りたい
- マイナーな将棋の囲い一覧が見たい
将棋は戦略と技巧が織り交ぜられた日本の伝統的なボードゲームです。誰もが一度は「攻めはいいけれど、守りが甘い」と感じたことでしょう。
実は、強力な攻撃力を持つだけでは勝利は遠いのです。そこで注目したいのが、「囲い」と呼ばれる守りの戦術です。
この記事では、将棋の「囲い」に焦点を当て、その重要性と効果的な使い方について深く掘り下げます。
「どの囲いがいいの?」、「居飛車と振り飛車で囲いはどう変わるの?」など、初心者から上級者までが抱える問題を解決します。
私自身が9年以上将棋を指し続ける中でいろんな囲いを採用してきた経験から、このよくある問題に対する独自の視点と解決策を提供します。
この記事を読むことで、あなたの将棋が次のレベルに進むための具体的な手法を習得できるでしょう。最適な「囲い」の選び方から、それに続く戦術までを網羅しています。
さらには、どのようにして相手の攻撃を防ぐかという実践的なアドバイスも満載です。
囲いの重要性
将棋、この古代から続く戦略ゲームにおいて、囲いは玉を保護するための不可欠な要素です。
それは車のエアバッグのように、突如として襲ってくる敵の攻撃から王を守るバリアの役割を果たします。
この防御機構がしっかりしているかどうかが、勝敗を大きく左右することとなります。
そもそも将棋の囲いとは?
囲いとは、特に戦略ゲームやスポーツにおいて、自分の要点や目標を守るための防御機構や配置を指します。
この概念は、具体的には将棋やチェス、またはスポーツの戦術などに見られます。
囲いがあると、相手の攻撃が直接王に到達する前にそれを阻止または遅らせることができます。
ダメージの緩和
囲いを適切に配置することは、ダメージの緩和という観点から非常に重要です。
例えば、自動車にエアバッグが装備されているのと同様、衝突(=攻撃)の際のダメージを緩和する仕組みが囲いです。
エアバッグがなければ、衝突の衝撃で大怪我をする可能性が高いと同じように、囲いが不十分だと、攻撃によるダメージが直接王に影響を与え、ゲームでの敗北が早まる可能性があります。
囲いは「城」:王を守るための要塞
将棋やチェスなどの戦略ゲームにおいては、囲いはまさに自分の「王様」を守る要塞、もしくは城のようなものと考えることができます。
この「城」が頑丈であればあるほど、外からの攻撃(相手の戦略)に耐える力が増し、自分自身が攻撃する際の安全性と余裕が生まれます。
囲いの考え方
将棋の局面において、玉の安全は勝敗の鍵を握る重要な要素となります。
囲いの構築は、一見単純に見えるかもしれませんが、実際には駒の特性や位置、相手の動きなど、様々な要因を考慮して策定する必要があります。
以下では、この囲いを効果的に構築するための基本的な考え方とポイントについて解説します。
囲いは金2枚と銀1枚
基本的な囲いの形では、主に金2枚と銀1枚を使用して王を守ります。これらの駒は、その動きが限定されているため、一度位置を固定すると破られにくいのが特長です。
例えば、金は前、横、斜め前の7方向にしか動けませんが、これが逆に王をしっかりと守るための「壁」を作るのに適しています。
銀も前と斜め前、斜め後ろの5方向にしか動けないので、これをうまく使うことで、相手が攻撃しやすい「隙間」を少なくすることができます。
玉飛接近は避けよ
王と飛車が近すぎると敵に攻撃されやすくなるのは、飛車が縦横無尽に動くことができ、攻撃力が非常に高いためです。
そのため、飛車が自分の王に近すぎると、敵からターゲットとして狙われるリスクが増え、王にも危険が及びやすくなります。
まるで王様が身辺警護に秘密兵器(飛車)を置いてしまったが、それがあまりにも目立つために逆に敵から狙われてしまう、という状態です。
相手の飛車と反対に作る
基本的には、相手の飛車がいる方向と反対側に囲いを作るのがセオリーです。飛車の動きが縦横に長く、攻撃力が高いため、そのラインに王を置くと非常に危険です。
それは、城の門を敵の大砲に直接向けているようなもので、非常に危険です。相手の飛車が左側にいる場合は、右側に囲いを作ることで、その攻撃範囲から外れ、安全に過ごすことができます。
これを考慮に入れることで、王が長く安全に戦局を維持できるようになります。
以上のような考え方を押さえることで、より効率的な囲いを作ることができます。特に、初心者の方はこのような基本的なポイントを押さえておくと、上達が早くなるでしょう。
超初心者向け!将棋で玉をしっかり守るためのおすすめ囲い
初心者の方は将棋を始めたばかりで、駒の動きや基本的なルールから学ぶところからスタートします。この段階で、将棋全体の戦術や戦法を完璧にマスターすることは難しいと感じることが多いでしょう。
特に、王将を中心とした局面の戦いや駒同士の関連性を理解するのは時間がかかるものです。そんな中、玉の囲い方は防御の基本となるため、特に重要です。
簡単で覚えやすい囲い方を学ぶことで、初心者の方も少し安心して将棋の対局を楽しむことができるようになります。
したがって、初心者の方には玉の囲い方もシンプルで、迅速に習得できるものが望ましいと言えるでしょう。
超初心者におすすめの囲いとその特長
初心者に特におすすめな囲いとしては「矢倉」「舟囲い」「美濃囲い」が挙げられます。これらの囲いは、いずれも基本的な形をしており、相対的に覚えやすいです。
- 矢倉囲い:矢倉は非常に堅牢な囲いであり、金と銀を使って玉をしっかりと守ります。特に初心者がよく使う「居飛車」戦法と相性が良いのも特長です。
- 舟囲い:舟囲いは少ない手数で完成するため、ゲームが進行しても比較的短時間で囲いを作ることができます。初心者にとっては、手数をかけずに安全な状態を作れるので、非常におすすめです。
- 美濃囲い:美濃囲いは、初心者にとっても比較的簡単に覚えられる形です。特に、敵が振り飛車戦法を使っている場合には、美濃囲いが非常に効果的です。
このように、それぞれの囲いには特有の特長と利点がありますが、共通して言えるのは、基本的な駒の動きだけで作ることができ、複雑な手順を必要としない点です。
このような囲いをマスターすることで、より高度な戦術にも対応しやすくなります。また、これらの囲いは多くの教材や対局例でもよく見られるため、実戦での応用もしやすいです。
初心者が一つの囲いをしっかりと覚え、それを使いこなせるようになると、その後の上達もぐんと早まるでしょう。
以上の点から、初心者の方は「矢倉」「舟囲い」「美濃囲い」のいずれかを最初に覚えると良いでしょう。これにより、玉の安全を確保しながら、さまざまな戦術や戦法にも対応できるようになります。
アマ初段が選ぶ!耐久性に優れた将棋の囲い最強ランキング
将棋とは、戦略と技巧を競い合う盤上の頭脳戦。この戦場での綿密な計画の一部として、玉将を守る「囲い」が存在します。
囲いは、攻撃から玉将を保護するための重要な要素であり、堅牢なものであれば、対局者の勝利に繋がることも。
アマ初段のプレイヤーとしての経験から、耐久性に優れた囲いをランキング形式で紹介します。居飛車編と振り飛車編に分け、各囲いの特徴とその堅さの理由を解説していきます。
居飛車編
1位:ビッグ4
ビッグ4囲いは将棋における強固な防御構造で、主に対振り飛車戦法で使用される居飛車穴熊囲いをさらに発展させた形とされています。
この囲いは、昔から守りの強さが最強とされる穴熊囲いを金銀4枚で強化し、その結果、駒の密度と連結の強度が最も高いとされています。
全く隙がないため「鉄壁の囲い」とも評されています。ビッグ4囲いは、穴熊系の囲いの一種であり、特に堅固な防御構造が求められる局面で利用されます。
この囲いを構築するのには時間がかかるものの、一旦完成すると非常に堅い防御構造が築かれます。ビッグ4囲いは、金銀4枚を使って玉将を守り、穴熊の弱点である端攻めもカバーすることが可能です。
しかし、囲いが完成するまでに時間がかかるため、自陣全体のバランスが悪くなる可能性があります
2位:松尾流穴熊
松尾流穴熊は将棋の囲いの一種で、特に対抗形の局面において居飛車側で現れる囲いとして知られています。
この囲いは、基本的な穴熊囲いの形からさらに発展させて、短手数で堅固な囲いを目指すものであり、自玉を守るための戦術の一環として非常に重要な位置を占めています。
ポイント
松尾流穴熊の主な特徴は、囲いをより強固にするために、自玉から最も離れた位置にある右銀を囲いに引き付けることにあります。
これにより、囲いの堅さをさらに強化することが可能となり、敵の攻撃から自玉を効果的に守ることができます。
また、この囲いの形成により、右銀が中央三段目(先手5七、後手5三)から移動することになり、囲いの構造がさらに強固になります。
このように、松尾流穴熊は、敵の攻撃から自玉を守るための強固な囲いを迅速に構築するための重要な戦術であり、対抗形の局面での居飛車側の強力な防御策として広く認識されています
3位:エルモ囲い
エルモ囲いは将棋の囲いの一種で、特に対抗形の局面において居飛車側で利用される囲いとして知られています。
この囲いはコンピュータ将棋ソフトウェア「elmo」が対振り飛車での居飛車側の囲いとして多く採用していたことから、この名前が付けられました。
ポイント
エルモ囲いは、将棋のAIソフトであるエルモによって評価され、名前が広まった囲いであり、組むまでの手数が比較的少ないとされています。
エルモ囲いは一見奇異に見えるかもしれませんが、実は連結の良い囲いであり、囲いの発展形を見ていくことが可能です。
エルモ囲いはまだ指され始めたばかりで、プロの実戦例も少ないですが、基本的には急戦を仕掛けていくことが可能であり、持久戦になった対局も存在しています。
エルモ囲いの前段階として舟囲いから組み替えることも可能ですが、右金の移動を保留してエルモ囲いの形を優先した方が無難であり、舟囲いでは右金を上がる手が必須になりますが、エルモ囲いを組むと、右金が他の金駒と連結していません。
4位:矢倉囲い
- 矢倉囲い(やぐらがこい)は将棋の囲いの一種で、居飛車戦法において主に使用される非常に堅固な囲いとして知られています。
- この囲いは、特に対抗戦や振り飛車対居飛車の局面で効果的であり、攻めと守りのバランスが良いとされています。
- 矢倉囲いは、玉将、金将、銀将を使って構築され、3段目の銀将と金将により、玉将を強固に守ります。
メリット
矢倉囲いは、敵の攻撃から効果的に守りつつ、自身の攻撃の準備を整えることができるため、多くのプレイヤーにとって魅力的な囲いとなっています。
さらに、矢倉囲いは比較的構築が簡単で、初心者にも理解しやすい囲いとされています。
ポイント
この囲いを構築する際のポイントとして、角道を開けることが重要であり、これにより相手の飛車が攻めてきた時に銀の受けが間に合うようになります。
また、角交換を防ぐために、相手からの角の筋を閉ざしてゆっくりと矢倉囲いを構築します。
5位:左美濃囲い
左美濃囲い(ひだりみのがこい)は将棋の囲いの一種で、主に居飛車戦法において使用されます。この囲いは、右美濃囲いの変形であり、玉将を中央ではなく左側に配置します。
基本的な構造は美濃囲いと同様で、金と銀を利用して玉将を守ります。左美濃囲いは、玉将が左側にいるため、右側の駒を自由に動かすことができ、攻めの準備を整えやすいという利点があります。
しかし、玉将が左側にあるため、左側からの攻撃に対しては脆弱となります。また、囲いを構築する際には、敵の攻撃に対して十分な注意が必要です。
振り飛車編
1位:振り飛車穴熊
振り飛車穴熊(ふりびしゃあなぐま)は将棋の囲いの一種で、主に振り飛車側のプレイヤーが利用します。この囲いは居飛車穴熊とは異なり、玉を盤面の右側(飛車のいない側)に囲います。
振り飛車穴熊は飛車を降った後に美濃囲いではなく穴熊に組む囲い方であり、組み方を覚えれば手堅い将棋を指せるようになるとされています。
この囲いは主に対居飛車戦において振り飛車側が穴熊を志向する作戦の総称であり、相振り飛車戦においても用いられることがあります
2位:ダイヤモンド美濃囲い
ダイヤモンド美濃は将棋の囲いの一種で、基本的な美濃囲いに銀を一枚加えた形を指します。この囲いは通常「四枚美濃」とも呼ばれ、金銀四枚で囲っているため非常に堅固な囲いとされています。
金銀の連携が非常に良いため、上下段から再び金銀を打てる特徴があります。ダイヤモンド美濃は美濃囲いを変形させた囲いであり、特定の手順に従って囲うことが推奨されています。
ダイヤモンド美濃の形成には、本美濃囲いから4七の位置に銀を加えるのが一般的です。この囲いは横方向の攻めに非常に強い一方で、金銀4枚で囲っているため攻めが細くなりやすいとされています。
また、1,2筋の弱点があり、端攻めや玉頭戦の将棋に弱い点が指摘されています。
また、この囲いの名前は、美濃囲いに4七銀が加わった形から来ており、4枚の金銀の配置がダイヤモンドを連想させることから、ダイヤモンド美濃と呼ばれるようになったと考えられています。
3位:銀冠
銀冠(ぎんかんむり・ぎんかん)囲いは将棋における囲いの一種で、主に居飛車側で使用されるものであり、特に対抗形の居飛車側で現れる囲いです。
この囲いは高美濃囲いの変化形で、美濃囲いから高美濃囲いを経て銀冠へと進化する流れがあります。この進化により囲いは上からの攻めに強くなり、横からの攻めには弱くなっています。
銀冠囲いは、上部が手厚く、囲いの上部や端からの攻めに対しては非常に堅牢です。
しかし、横からの攻めには弱く、特に自玉付近まで迫られた後は、逃げる形として▲9七玉(後手の場合は△1三玉)に移動する形が粘り強いとされています。
この位置は「銀冠の小部屋」と呼ばれ、中段玉を配置し、端攻めに備えることで詰めろがかかりにくくなる場所とされています
また、銀冠囲いは高美濃囲いから進化する際に、銀が玉の上にくる形を作ります。この囲いは上部からの攻めに非常に強いが、下段は弱くなるため、あえて桂馬を跳ねないこともあるとされています。
4位:本美濃囲い
美濃囲いは振り飛車の陣形を使うプレイヤーによく利用される囲いです。振り飛車は将棋の戦法の一つで、飛車を振って敵陣に攻め込む戦術を特徴としています。
美濃囲いは、振り飛車を使用しているプレイヤーにとって、玉将をしっかりと守るための堅固な囲いを提供することで、攻めと守りのバランスを保つことができます。
囲いの構築は比較的シンプルで、玉将、金、銀を使用して敵の攻撃から守ります。美濃囲いは、振り飛車戦法の防御面を強化することで、プレイヤーが攻撃に専念することを可能にする信頼できる囲いとして知られています。
5位:高美濃囲い
高美濃囲いは将棋の囲いの一種で、基本的な美濃囲いから進化した形とされています。
具体的には、美濃囲いの構造を保持しながら、左金を4七の位置へ進めることで高美濃囲いが形成されます。この囲いの特徴は、美濃囲いの横方向の堅さを維持しつつ、上部からの攻めにも対応できる点にあります。
しかし、高美濃囲いにも短所があり、特に玉頭がまだ弱い点と、美濃囲いと比べて横からの攻めには弱くなっている点が指摘されています。
また、端がさらに弱くなるという欠点もあるため、注意が必要です。
居飛車と振り飛車の違い
将棋において、飛車をどのように扱うかは戦略の中心となります。
居飛車と振り飛車はその代表的な2つの戦法であり、それぞれの特性と戦略が大きく異なります。居飛車は、攻撃的で積極的な戦いを、振り飛車は防御的で堅実な戦いを目指します。
これらの戦法を理解し、自分のスタイルや相手の戦略に合わせて柔軟に適用することが、将棋の深い戦略性を楽しむ鍵となります。
居飛車の特性
居飛車戦法は、ゲームのオープニングフェーズで飛車を初期位置または右翼の近くに据え置くことを含みます。これは、飛車を左または中央に積極的に移動する振り飛車戦法と対照的です。
居飛車戦法は、攻撃的な戦法が多い戦法です。力戦の将棋から研究将棋までの幅広いプレイスタイルがあります。具体的には角換わり、矢倉戦法、相掛かり戦法、横歩取り戦法など。
対振り飛車に対しては、基本的に囲いは簡素で急戦を仕掛けていくことが多いものの、持久戦にすることも出来ます。特に一時期居飛車穴熊が猛威を振るっていて、振り飛車側が対策を迫られていた歴史があります。
相居飛車でよく使われる囲いは、矢倉囲いや中住まいなど、が多いです。
振り飛車の特性
一方で振り飛車は、飛車を初期位置から動かして戦うスタイルです。この戦法は基本的には角道を閉じてカウンターを狙う将棋であり、軽快な捌きが特長です。
現代に入ってから角道を開けたまま戦う、角道オープン振り飛車が増えました。
ポイント
この角道オープン振り飛車は攻撃的で自分から積極的に動くことが出来、豪快な捌きが魅力の一つです。また、強敵だった居飛車穴熊に対抗出来るようになったのもポイントです。
よく使われる囲いには、美濃囲いや高美濃囲いなどがあります。
相手の戦法によって囲いを選ぶ
将棋の戦略は飛車の使い方に大きく依存し、特に居飛車と振り飛車はその代表的な戦法です。居飛車は攻撃的で積極的な戦いを志向し、相居飛車では矢倉囲いや中住まいがおすすめです。
一方、振り飛車は防御的で堅実な戦いを目指し、美濃囲いや高美濃囲いが効果的です。
振り飛車の戦法においても、例えば相振り飛車では金無双囲いを採用することがあります。
対局においては、相手の戦法や局面をよく観察し、それに応じて最適な囲いを選択することが重要です。
具体的には、相手が振り飛車であれば急戦を仕掛けることが多く、相手や状況によっては居飛車穴熊のような堅固な囲いを選びます。
逆に相手が居飛車であれば、美濃囲いや高美濃囲いを利用してカウンター攻撃や積極的に動いて戦います。
囲いの詳細
将棋は、二人のプレイヤーが駒を動かして戦う日本の伝統的なボードゲームです。このゲームの目的は、相手の王将を詰ますことにあります。
そのため、自分の王将を守るための囲いが非常に重要となります。囲いとは、王将を他の駒で守る配置のことを指します。
本稿では、居飛車の囲いや振り飛車の囲い、そしていくつかのマイナーな囲いについて詳しく解説します。
3.1 居飛車の囲い
相居飛車
相居飛車とは、両者が飛車を動かさずに戦う局面を指します。この戦法では防御が特に重要で、それを支えるのが「囲い」となります。
矢倉は一般的で、非常に堅固な囲いとされています。金と銀をうまく配置し、王将をしっかりと保護します。中住まいも人気があり、矢倉よりも短い手数で囲いを完成できるというメリットがあります。
カニ囲いはやや珍しいものの、特定の局面で非常に効果的です。これは王将を中央に置き、その周りを駒でガードする形になります。
対振り飛車
対振り飛車とは、自分は居飛車で、相手が振り飛車を使用している局面を指します。この場合によく使われる囲いが舟囲いと居飛車穴熊です。
舟囲いは金と銀を船のような形に配置して、王将を中央に置く囲いです。この囲いは攻撃と防御のバランスが取りやすいため、多くの居飛車プレイヤーに好まれます。
居飛車穴熊は、穴熊囲いの一種で、居飛車を採用している場合に特に有効です。この囲いは王将を端に寄せ、しっかりと囲むため非常に堅牢ですが、その分、王将が動きにくいというデメリットもあります。
それぞれの囲いには特有のメリットとデメリットがあり、対局の状況や相手の戦法、自分の得意な戦法によって最適な囲いが変わります。
初心者から上級者まで、これらの囲いは基本中の基本となるものですから、しっかりとマスターしておくことが重要です。
3.2 振り飛車の囲い
振り飛車で使われる囲い
振り飛車とは、飛車を初期位置から動かして攻撃するスタイルの一つです。この戦法でよく用いられる囲いには、美濃囲いや高美濃囲いがあります。
美濃囲いは非常にポピュラーで、その堅さから初心者から上級者まで幅広く採用されています。基本的には、金銀と歩兵で王将を守ります。美濃囲いは比較的短い手数で完成するため、早期からの攻撃にも対応しやすいです。
高美濃囲いは、美濃囲いの一種で、相手が攻めてこない時や持久戦模様の時に囲いを発展させる形です。これにより上部からの攻撃に強くなり、状況によっては桂馬を跳ねることもできます。
ただし、その分防御面では美濃囲いよりもやや劣るともされています。
相振り飛車で使われる囲い
相振り飛車とは、双方が振り飛車で戦う局面を指します。このケースでは、特に攻撃が活発になるため、攻撃に特化した囲いが求められます。
その一つが金無双です。 金無双は、非常に攻撃的な囲いで、隙はほぼ無く、囲いは簡素にして攻めることができます。
この囲いでは、最短5手で囲えてすぐに攻めることができます。しかし、その反面囲いの硬さは弱く、玉の遠さにおいても美濃囲いのほうが一路遠いです。
また、序盤での相手の角の飛び出しに対して強かったり、端攻めに対しても耐久力があります。
振り飛車の囲いは、その性格上攻撃が主体となりますが、防御も忘れてはいけません。 美濃囲いや高美濃囲い、金無双など、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分のプレイスタイルや相手の戦法によって、適切な囲いを選ぶことが非常に重要です。
局面に応じて柔軟に囲いを選ぶ能力は、将棋のスキル向上に直結する要素となります。
3.3 その他マイナーな囲い5つ
将棋には多くの囲いがありますが、中でも特にマイナーなものについてここで解説します。
これらの囲いは一般的なものよりも少し変わっている場合が多く、その特性を理解して上手に使えば、相手を驚かせることができます。
アヒル囲い
アヒル囲いは将棋の囲いの一つで、その名前は囲いの形がアヒルの足の形に似ていることから名付けられました。
アヒル囲いは奇襲戦法の一種とされており、低い陣形を組むことで、飛車や角行を打ち込む隙が無く、さばきを狙う戦法が特徴です。
アヒル囲いは非常にユニークな戦法であり、相手が混乱する可能性があります。
初めて見た人はその不自然な駒組みに違和感を感じることがあり、どの地点から攻めるのが正解かがわかりにくく、アヒル囲いの対策を知らない人を混乱させることができます。
無敵囲い(最強囲い)
無敵囲い(むてきがこい)は将棋における特定の囲いのスタイルで、初手からわずか3手で完成することが特徴です。
具体的な手順は、6八銀 → 5八飛 → 4八銀と進めることで構築されます。
無敵囲いは、名前からは強固な防御を想像させるかもしれませんが、実際には将棋の初心者が一番最初に辿りつきやすい囲いとされており、実勢的な囲いではなく、将棋の有識者が初心者を揶揄(やゆ)する場合に使われることがあるとされています。
無敵囲いは、一見すると王の守りだけは固そうに見えるが、実際には大変弱く、攻守ともに戦いにくくするだけの囲いであると説明されています。
したがって、この囲いを使用するプレイヤーは他の実務的な囲いを学ぶことで、ゲームのスキルを向上させることが出来ます。
また、この囲いの名前は、将棋マンガ「ハチワンダイバー」で初心者を揶揄する言葉として使われており、将棋初心者の一部がなぜか辿り着く囲いとされています。
さらに、無敵囲いは、「初心者囲い」とも呼ばれ、ある漫画でこの名前が使われたこともあります
ちょんまげ美濃
ちょんまげ美濃は、将棋の特定の囲いのスタイルであり、陽動振り飛車という戦術において生まれる美濃囲いのバリエーションを指します。
陽動振り飛車は、相手の注意を引きつけるために飛車を振る動きを含む戦術で、この動きの結果としてちょんまげ美濃囲いが形成されます。
ちょんまげ美濃の特徴的な点は、玉頭と呼ばれる部分に位置する歩が一つ突かれている状態であることです。
この突かれた歩によって、囲いの形が独特の形を成し、これがちょんまげ美濃囲いの名前の由来となっています。
この囲いは、玉の防御を強化するために使用されることがあり、陽動振り飛車と連携して効果的に機能することが期待されています。
串カツ囲い
串カツ囲い(くしかつがこい)は、将棋における居飛車の囲いの一種で、特に振り飛車という敵の戦法に対して使用されることがあります。
この囲いは穴熊囲いと非常に似ていますが、9九の玉将と9八の香車の位置が逆になっている点が異なります。
メリット
通常の穴熊よりも一手早く組むことができ、横からの攻めに対して上部へ逃げやすく、また、角道を避けることができるのが長所です。
しかし、端攻めには極端に弱いという短所もあります
この囲いの選択は、振り飛車という敵の戦法に対処するため、または穴熊よりも一手早く囲いを完成させたい場合に有用であると考えられています。
天守閣美濃
天守閣美濃(てんしゅかくみの)囲いは、将棋における特定の防御構造で、主に左美濃囲いの応用として利用されます。
ポイント
この囲いは、美濃囲いの硬さを保ちながら、王の位置を一段上に移動させることで、相手の角道から王を避けることができるという特徴があります。
天守閣美濃は、主に対抗形の居飛車側で現れる囲いであり、左美濃と比較して、王が角の1マス上にいるという独特の形をしています。
この囲いの長所は、玉が角筋に入るのを避けることができる点と、横からの攻めに強い点があります。
デメリット
一方で、短所としては、上からの攻めに弱いという点が挙げられ、特に玉頭が非常に弱いため注意が必要であるとされています。
このため、上から攻められた時は、中段玉となり、玉将で逃げるか、引いて囲いを作るかを相手の動きを見て決定する必要があります。
実践的なアドバイス
将棋は戦略的な思考と瞬時の判断が求められるゲームです。適切な囲いを選ぶことで、その後の攻撃や防御が大きく変わります。
短手数での攻撃移行や堅牢な防御、そして突然の相手の攻撃にどう対応するか。
これらの局面での判断は、一局の勝敗を大きく左右します。以下、それぞれの状況に対する実践的なアドバイスをご紹介します。
短い手数か堅い守りかで選ぶ
将棋の囲いを選ぶ際には、プレイスタイルに応じて「短い手数で形成できるもの」か「堅い守りが可能なもの」かを考えましょう。
注意
短い手数で形成できる囲いは、早く攻撃に移行できるメリットがありますが、一般的には防御力がやや劣ります。 一方で、堅い守りが可能な囲いは、多くの手数を必要としますが、防御力が高いため長期戦に強いです。
この選択は、相手の戦術や自分の得意なプレイスタイル、そしてその局面で何が求められているかによって大きく影響します。
囲った後の攻め方
囲いが完成した後の次のステップは、効果的な攻撃方法を考えることです。いくつかの囲いは攻撃に適した形を持っており、特定の駒を活用しやすいです。
例えば、矢倉や美濃囲いは、飛車や角行を使った中央からの攻撃が得意です。
囲いがしっかりしている状態で攻撃を仕掛けると、相手は防御に追われることが多く、自分のペースで試合を進めやすくなります。
相手がイキナリ攻めてきたらどうする?
将棋は攻防のバランスが大切で、時には相手が突然攻撃を仕掛けてくる場合もあります。このような状況で重要なのは、慌てず冷静に局面を判断することです。
ポイント
まず、相手の攻撃が本当に脅威なのかを確認しましょう。場合によっては、相手の攻撃が浅く、逆にその反動で勝機が生まれることもあります。
次に、状況に応じて囲いを強化する手段を考えます。すでに確立した囲いがある場合、その囲いをどう調整するか、あるいは新しい囲いに変更するかの選択肢があります。
まとめ
この記事では、将棋の囲いについて詳しくご紹介しました。
要点をまとめると以下の通り。
- 居飛車と振り飛車の選択が、囲いのスタイルに大きな影響を与えます。
- 初心者には矢倉や美濃囲いなどがおすすめであり、それに対応する複数の戦法が存在します。
- 囲いが完成した後は、局面と相手の戦術に応じて攻撃または防御を強化する必要があります。
将棋の囲いでは、相手の戦法や局面に応じて柔軟に囲いを選ぶ能力が重要なポイントとなります。
将棋の囲いではぜひこのポイントを押さえて、より効果的な戦術を展開してみてください。
さらに詳しく知りたい方は、はじめて将棋を指す!最初の一歩としての入門必読記事まとめもどうぞ。
この記事を書いた人
-
10代で将棋のルールを覚えるも、定跡の存在を知らず挫折する。大人になって将棋熱が再燃し、詰将棋や定跡を猛勉強。将棋サイトに登録し、ノンストップで 将棋ウォーズで5級まで到達しました。その後も学習を続け、2級、1級と昇級しましたが、1級で長く伸び悩みました。PDCAサイクルを導入したり、師匠に教わったりして、ついに初段に昇級。現在は指し将棋は休止中にし、将棋ブログを執筆しています。
将棋歴:11年/段位:アマチュア初段
資格・実績:将棋ウォーズ初段の達成率最高86%/将棋倶楽部24は最高R716
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