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- 将棋の格言を知りたい
- 序盤、中盤、終盤ごとの格言も知りたい
- 格言ランキングがあるなら知りたい
- おすすめの将棋格言本を教えてほしい
将棋が好きでも、時には「この局面、どうすればいいの?」と考える瞬間が誰にでもありますよね。
そんなとき、瞬時に最良の手を出すための方策が欲しい。でも、将棋の本や教材は膨大で、どれがいいのかわからないという問題も。
そこで今回は、将棋界で名高い渡辺明氏も認める「格言」をご紹介します。この記事では、将棋の格言が何であるか、それがなぜ重要なのか、そして実戦でどう活かすかを解説します。
格言を知ることで、思考のスピードが格段に上がり、突然の局面でも冷静に最適な手を指せるようになります。
つまり、将棋でより多く勝つための実用的なテクニックを手に入れることができるのです。
最終的に、格言を活用することで、あなたの将棋は次のレベルへと飛躍するでしょう。おすすめの将棋格言本も紹介しているので、この機会にぜひチェックしてみてください。
将棋の格言とは将棋のことわざ
将棋の格言とは、このゲームの多様な側面—戦術、戦略、心構え、といった要素—を短くわかりやすい言葉でまとめたものです。
この言葉は、一言でいうと「将棋の教訓」を形にしたものと言えます。
これは初心者からプロまで、どのような局面で何を考え、どのような手を出すべきかが一瞬で理解できるようになります。
状況判断のスピードアップ
格言を学ぶことで、状況判断が非常に速くなるのは確かです。これは特に、相手が意外な手を指したときや、自分が予想外の状況に陥ったときに有用です。
そのような瞬間に迷ってしまうと、局面が不利になる可能性が高くなります。しかし格言があれば、すぐにでも何をすべきかのヒントを得ることができます。
加えて、状況判断の速度を上げることは、時間制限のある将棋においては特に重要です。制限時間内に最適な手を指すためには、速やかな判断が不可欠です。
格言はそのような制約下で、瞬時に「ベストな行動」を導き出すための貴重なツールとなっています。
このように、格言は複雑な局面やプレッシャーのかかる状況での判断を素早く、かつ正確に行えるようサポートしてくれます。
それはまるで、道を行く途中で突然迷ったときに、すぐに正しい方向を示してくれるような存在です。状況判断のスピードを高めるためにも、格言の学習とその活用は非常に有用なのです。
序盤の格言
ここからは序盤の格言について触れていきます。
序盤でどう指して良いかわからない時に、思い出すと良い結果に繋がりやすい格言をまとめてみました。
参考にしてください。
序盤は飛車より角
序盤の飛車と角の交換について 将棋の序盤においては、飛車と角という二つの大駒の動きが戦局に非常に大きな影響を与えることが知られています。
チェックポイント
飛車と角はそれぞれ異なる動きを持ち、それゆえに異なる戦術的価値を持ちます。
この格言「序盤は飛車より角」は、そのような初期の交換が生じた際に、角を手に入れることが有効であるという重要な教訓を提供しています。
具体的には、序盤の段階では、飛車は前後にしか動かせないため、敵陣に打つ機会が少なくなります。
これは特に、敵の陣形がまだ固まっていない、または自分の陣形がまだ発展途上である場合に顕著です。飛車の動きは比較的制限されているため、序盤の早い段階では、飛車を利用することで得られる利点は限られています。
一方で、角は斜めに動くことができ、この動きは序盤の段階で非常に価値があります。角は左右両斜めに利くことができるため、敵陣に対してさまざまな脅威を作り出すことができます。
さらに、角は敵の陣形に侵入しやすく、相手の陣形に隙間を見つけるのに非常に有用です。
チェックポイント
このように、角は序盤の段階で多くの戦術的選択肢を提供し、飛車に比べて利用価値が高いとされています。
また、角を保持していることは、相手に対する心理的なプレッシャーをもたらすこともあります。
角の存在は、相手が陣形をどのように構築するか、またはどのように駒を動かすかを慎重に考慮する必要があります。
この心理的な側面も、この格言の背後にある理論をさらに強化しています。
居玉は避けよ
将棋の序盤において、王将は最初に自分に最も近い段(行)の中心に配置されます。この位置を「居玉」と呼びます。
注意
居玉の状態では、王将は比較的安全であると考えられがちですが、実際には攻められやすい位置にあるため、対局を進めるにつれて王将の安全を確保することが難しくなります。
理想的には、序盤のうちに王将をより安全な位置に移動させることが推奨されます。この戦術は、王将を敵の攻撃から保護し、中盤と終盤における自身の攻撃の準備を整えることができます。
また、王将を安全な位置に避難させることで、対局の勝率が向上する可能性があります。具体的には、王将を端や隅に移動させることで、敵の攻撃から避けることができます。
飛車先の歩交換三つの得あり
飛車先の歩兵を交換することで、持ち駒として歩兵を手に入れることができます。
持ち駒に歩兵が増えることは、後々の戦術において有用であり、歩兵を使った攻撃や防御の選択肢が広がりますし、歩兵が交換されることで、その升目が空になります。
この空いた升目に自分の駒を進めることができ、新たな攻撃ルートや守備の布陣を築くことが可能になるのです。
また、歩兵の交換により飛車先が開き、飛車が敵陣に直接射を放つことができます。これにより、敵陣へのプレッシャーを加えたり、敵の駒を攻撃したりするチャンスが増えます。
攻めは飛車角銀桂、守りは金銀3枚
攻めは飛車角銀桂、守りは金銀3枚」という将棋の格言は、攻めと守りの基本的な戦術を示しています。この格言は、攻める側と守る側の両方でどの駒を使用するかを指南しています。
具体的には、攻める時には飛車、角、銀、桂を活用し、守る時には金と銀を使用することを推奨されています。
将棋の攻めにおいては、飛車、角、銀、桂の4つの駒が重要な役割を果たします。これらの駒は、それぞれ独特の動きを持っており、敵の陣地に侵入しやすく、攻撃の主力となります。
一方で、守る側においては、金と銀の駒が重要です。これらの駒は、防御のために非常に効果的であり、特に王を守るためには価値があります。
格言によれば、守る時には金銀3枚を使用することが基本であり、これによって堅固な防御を構築することができます。これらの駒は、囲いを作成し、敵の攻撃を防ぐのに非常に役立ちます。
下段の香に力あり
香車は直線的に動く駒であり、下段から打つことにより、香車の利きが最大限に生かされるとされています。
香車は下段から打つことで、進めるマスの数が多くなり、その結果として、香車の力を最大限に活用することができるようになります。
チェックポイント
この格言は、「香は下段から打て」とも表現されることがあり、これは香車を下段から打つことの重要性を強調しています
下段から香車を打つことで、香車は敵の駒の利きから離れ、簡単に歩で取られるリスクを減らすことができます。これにより、歩の連打が実現しにくくなり、香車の安全性が向上します。
玉飛車接近すべからず
飛車は将棋の駒の中でも特に攻撃的な動きを持っており、その長い直線的な動きによって多くの戦術が可能になります。
しかし、飛車は垂直と水平の動きしかできず、斜めの動きはできないため、接近戦においてはその能力が制限されることになります。
この特性は、飛車と玉が近接する際に特に重要な意味を持っています。飛車は攻撃的な駒であるため、守備の役割を果たすのは困難で、特に敵の駒が接近してくると、飛車の力を十分に発揮するのは難しくなります。
注意
飛車の弱点の一例として、敵の角行や銀将が飛車と玉の間に入り込むことで、飛車が玉を守ることが困難になるケースがあります。
このような状況では、飛車が玉の近くにいると、敵の攻撃から玉を守ることが困難になり、飛車自体も攻撃される危険にさらされます。
さらに、飛車が玉の近くにあると、飛車を活用しての反撃も困難になります。飛車は通常、遠くからの攻撃に威力を発揮しますが、玉の近くにあるとその動きが制限され、攻撃の選択肢が減少します。
このため、飛車を玉から遠ざけ、飛車の長い動きを活用することが重要になります。飛車を遠くに配置することで、飛車の攻撃範囲が広がり、多くの攻撃の選択肢が生まれます。
中盤の格言
次に中盤の格言です。
中盤は手が広いので、序盤よりも指手に迷いやすい局面が増えます。
ここでも悩んだときのナビゲーションになること間違いなし。
遊び駒を活用せよ
遊び駒とは、将棋盤上で戦線から孤立している、もしくは攻めや受けに貢献していない駒を指します。
具体的には、攻めや受けで戦略的に貢献している駒を「働いている駒」と呼び、それに対して活用されていない駒は「遊んでいる(働いていない)駒」と呼ばれます。
この格言は、遊び駒の存在が敗因になることを避け、戦力として活用するようにと助言しています。遊び駒を戦局に有効に組み入れることで、自分の戦力を高め、勝利につなげることができます。
具体的には、遊び駒を攻防に役立たない駒から、攻防に貢献できる駒に変える戦術を考え、実行することが求められます。
また、遊び駒をできるだけなくし、全ての駒を有効的に使うような戦いを心がけることも重要です
焦点の歩に好手あり
焦点の歩は、「叩きの歩」という手筋でもあり、好位置にいる相手の駒を動かして働きを悪くする効果が見込めるとされています。
さらに、周囲に相手の他の駒がいるので、連携を悪くしたり、利きを遮ったりできる可能性があり、叩きの歩よりも効果的になりやすいとされています。
メリット
また、歩を打つことで、相手にとっては歩を取るにしても、逃げるにしても、放置するにしても、候補手が多くなり、迷いやすくなるため、相手の持ち時間を減らすことに期待でき、間違えてもらえる可能性も上がるという利点があります。
このように、「焦点の歩に好手あり」の格言は、歩を効果的に利用することで、将棋の戦術をさらに理解し、実戦で利用する方法を示しています。
桂先の銀定跡なり
この格言は、敵が桂馬を使って攻めてきた場合、その攻撃を受けるには桂馬の頭に銀将を打つのが良いと述べています。
この手筋は桂馬の動きを封じることができ、桂馬の前に銀将を置くことで攻撃を防ぐことができます。
桂馬と銀将の動きの特性を理解することは、この格言を効果的に利用するために重要です。桂馬は特殊な動きをし、銀将は縦と斜め前後の一マスに動くことができます。
桂馬の前に銀将を打つことで、桂馬の利く2つの地点を同時に防ぐことができます
竜は敵陣に、馬は自陣に
将棋の格言「竜は敵陣に、馬は自陣に」は、竜(飛車が成った駒)と馬(角行が成った駒)の使い方について教えています。
この格言は、竜は攻めの駒として、馬は守りの駒としてそれぞれ最適であることを示唆しています。
竜は、敵陣で攻める際に非常に強力な駒となります。この駒は、敵陣において攻撃的な動きを行うことで、その真価を発揮します。
一方、馬は守備の駒として非常に効果的です。馬は、自陣において守備力を発揮し、敵の攻撃から玉や他の重要な駒を守ることができます。
角の頭は丸い
この格言「角の頭は丸い」は、角行の特定の弱点、すなわち正面のマスに対する弱点を強調しています。
角行は、斜めには強力な動きを持っていますが、正面の一マスには進めないという特性があります。この特性は、相手にとって攻めるチャンスとなる可能性があります。
したがって、この格言は、角行のこの特定の弱点を理解し、それに対処するための重要な指南を提供しています。
チェックポイント
角行の正面の弱点は、他の駒で補う必要があることを示唆しています。角行が正面のマスに進むことができないため、この位置を守る他の駒が必要となります。
このため、角行の前のマスを守るために他の駒を配置することは、将棋の戦術において重要な考慮点となります。
また、この格言は、角行の動きの制限を理解することで、プレイヤーが角行の位置をより効果的に計画し、利用することを助けています。
桂馬の高跳び歩の餌食
将棋の格言「桂馬の高跳び歩の餌食」は、桂馬の特定の動きとそれに伴うリスクを明示しています。
この格言は、桂馬が独特の動きで敵陣に進入することができる一方で、その動きにはリスクが伴うことを警告しています。
具体的には、桂馬は他の駒を飛び越えて進むことができますが、その動きは直進ではなく、後戻りもできないため、不注意に動かすと、相手の歩によって容易に取られてしまう可能性があることを示唆しています。
下段の香に力あり
「下段の香に力あり」という格言は、香車の配置とその戦術的利点に焦点を当てています。
香車は縦方向にしか動かないため、下段に配置されることで敵陣に速やかに進入し、攻撃する可能性が増します。下段の香車は、敵の歩兵の進行を効果的に阻止し、防御の役割を果たすことができます。
この格言を理解することは、香車の力を最大限に活用し、その戦術的利点を利用するために重要です。
敵の歩兵が前進することを防ぐことで、自陣を守り、時間を稼ぐことができます。この時間は、他の駒を配置し、戦術を準備するのに貴重なものとなる可能性があります。
3歩持ったら次歩と端攻め
将棋格言「3歩持ったら次歩と端攻め」とは、プレイヤーが手持ちの駒として歩を3枚持っている場合、相手陣の端を攻めることができるという戦術的指針を示しています。
この格言は、もともと「3歩持ったら継ぎ歩と垂れ歩」という格言から派生したもので、端に手を絞っていることが強調されています。
具体的には、端は通常香や桂で守られていることが多いですが、これらの駒は後ろには動けない特性があります。
序盤でお互いにしっかりとした駒組みが完了すると、飛車や銀だけを使って突破するのは難しくなるため、持ち駒の歩が重要な役割を担います。
したがって、端の歩を突き捨てることから始めて、叩きや垂らしの手順で香や桂を動かせば、形が悪くなり攻めやすくなります。
チェックポイント
中盤以降で手持ちの歩が増えてくると、相手玉の近くや中央からの仕掛けが困難になる可能性があります。このような状況では、端からの攻撃を試みることが好手になることが多いです。
歩の枚数はできれば3枚、最低でも2枚を確保できる見通しを立てておくと仕掛けが成立しやすくなります
終盤の格言
序盤、中盤と来て、次が終盤の格言です。
序盤の格言などは時代と共に廃れることが多いのですが、終盤に関しては古くなることがないので、覚えておいて損はないです。
特に勝負に直結しやすい格言が多いのも魅力的です。
かなめの金を狙え
「かなめの金を狙え」という将棋の格言は、特に攻めの局面で重要な意味を持っています。
この格言は、囲いを崩す際や玉将を攻めるときに、金将という駒の重要性を認識することの重要性を教えています。
金将は主に守りの駒として機能し、玉を守る役割を果たします。特に、囲いを形成する際に金将は重要な駒となります。
しかし、攻めの際には、この囲いを崩すことが必要になるため、最初の段階で金将を狙って取り除くことが勧められています。これにより、囲いが崩れ、玉将への攻めが容易になります
金なし将棋に受け手なし
金将は、将棋における非常に重要な守備駒として知られています。特に、玉将の防衛において中心的な役割を果たします。
金将の存在は、相手の攻撃を効果的に受け止めるための要とされており、金将がいれば、敵の攻撃に対する防御力が大幅に高まると言われています。
そのため、終盤戦で金将を持っていない場合は、相手の攻撃を受け止めることが難しくなり、玉将が危険にさらされる可能性が高まります。
メリット
金将の強さは、その移動範囲と守備力にあります。前、横、そして後ろに1マスずつ移動することができるため、玉将の周囲を守るのに非常に適しています。
この特性により、金将は玉将の周囲で堅固な防御壁を形成することができ、敵の攻撃を効果的に遮断することができます。
さらに、金将は相手の駒を効果的に攻撃することもできるため、守備だけでなく攻撃においても重要な役割を果たします。
中段玉は寄せにくし
「中段玉は寄せにくし」という将棋格言は、玉が中段に位置しているときの寄せの難しさを指摘しています。
基本的には、玉が中段にいると広くなって逃げ道を確保しやすいため、詰めたり寄せたりするのに適した駒が少なくなり、比較的安全度が高まるとされています。
中段は将棋盤の四から六段目を指しています。 具体的には、玉が逃げるときは上部に逃げると捕まりにくくなるため、下段に落とすように寄せるのが良いとされています。
と金の遅早
と金の動きは通常の金と同じで、遅いと感じることがあります。しかし、「と金の遅早」という格言は「と金は遅いようで早い」という意味を持っています。
歩をと金にして攻めるという戦術はかなり強力で、たとえと金が取られても、相手に渡る駒は金ではなく歩であるため、リスクが低いです。
したがって、と金の攻めは非常に強力とされています。
この格言は、と金を利用した攻めが遅く見えるかもしれないが、実際には非常に効果的であることを教えています。
攻めの進行が遅いように見えても、と金の特性を理解し利用することで、効果的な攻めを展開することが可能になります。
金はとどめに残せ
将棋格言「金はとどめに残せ」は、詰みの局面での金将の価値を指摘しています。
具体的には、この格言は、対局の最終段階で玉将を詰ます際に、持ち駒として金将を保持しておくと、詰みが容易になることを示唆しています。
金将は、特に詰める際の最後の駒として利用することが推奨されており、この時に役立つことがこの格言の意味です。
さらに、この格言は、「頭金」という将棋の基本的かつ頻出する詰み形においての金将の重要性を強調しています。
頭金の形では、金将を利用して相手玉を詰めることが容易になるとされており、この詰み形を理解し、実践することで一定数の対局に勝利する可能性が高まると言われています
王手は追う手
格言「王手は追う手」は、将棋プレイヤーに対し、無計画に王手を使用する危険性についての明確な警告を与えています。
この格言は、特に策もなく闇雲に王手をかける行動が、相手の王を安全な位置に逃がしてしまう可能性があることを強調しています。
このような行動は、プレイヤーにとって不利な局面を生み出す可能性があり、これが結果として対局の展開に悪影響を与える可能性があります。
将棋は戦術的思考と計画が求められるゲームであり、単に王手をかけるだけではなく、相手の王の動きを予測し、効果的に対処する必要があります。
チェックポイント
この格言は、プレイヤーが無計画に王手をかけることの危険性を認識し、その代わりに戦術的な判断と計画を持って対局に臨むことの重要性を教えています。
特に、相手の王を安全な位置に逃がすことは、攻めのチャンスを逸してしまうだけでなく、相手に反撃のチャンスを与える可能性があります。
長い詰みより短い必死
将棋の格言「長い詰みより短い必死」は、ゲームの戦術において短期的かつ直接的なアプローチが、長期的かつ複雑な解決策よりも効果的であることを示しています。
この格言の背景には、自分の王が安全な状態である時に、相手の王を詰ます行動を取ることの危険性が含まれています。
もし相手の王を詰ます試みが失敗すると、プレイヤーは逆に自分の王が危険にさらされる可能性があります。
このため、格言は、単純かつ効果的な手段をとり、相手を劣勢に追い込むことの重要性を教えています。具体的には、この格言は、短手数による簡単な必死を読みきることが、長手数により難解な詰みを読みきるよりも勝利につながりやすいとアドバイスしています。
ちなみに、「必死」とは将棋における一種の危険な状態を指し、プレイヤーはこれを利用して相手を劣勢にすることができます。
一方、「詰み」とは、王が逃げ場を失い、敵に捕らえられる状態を指します。しかし、詰み状態にすることは、特に多くの手を必要とする場合、非常に困難である可能性があります。
銀は不成に好手あり
銀は成らないで斜めに動かすことができます。これにより、斜め方向への攻撃や守備が可能となり、特定の局面では有利になることもあります。
銀が斜め後ろに動くことができるため、この特性を保持することで柔軟なプレイが可能となります。成らないことで、斜め後ろに動ける利点が保持され、局面に応じて適切な動きができます。
注意
また、成ることは権利であり、一度成ってしまうと元に戻ることはできません。このため、銀を成るかどうかは重要な判断となり、成らないことで斜め後ろに動ける利点を保持することができます。
銀は成らせることで、横や真後ろに動けるようになりますが、斜め後ろに動けなくなります。このため、局面によっては銀を成らせずに、斜め後ろに動ける利点を活用することが勧められます
影響力のある格言
歩のない将棋は負け将棋
歩という駒は、将棋の中で最も基本的で最弱の駒であるとされていますが、その戦術的価値は非常に大きいものがあります。
歩一枚の力は決して侮れないもので、この単純な駒によって多くの戦術的な選択が可能となります。
ポイント
歩がなければ、様々な手筋を使うことができず、これはプレイヤーの戦術的な選択肢を大きく制限することを意味しています。
歩は、いわゆる突き捨ての歩、ツギ歩、金底の歩、タタキの歩など、多くの重要な手筋に利用されます。
これらの手筋は、ゲームの進行において極めて重要な役割を果たし、相手に対してプレッシャーをかけたり、特定の局面を有利に進めたりするための基盤を提供します。
注意
いざという時に歩を打つことができないと、相手に対して重要なプレッシャーをかけることができず、また、自身の王を守ることも困難になる可能性があります。
これは特に、歩兵を利用して相手の攻撃を防御する必要がある場合や、歩兵を利用して相手の王に対して攻撃を仕掛ける必要がある場合に顕著です。
歩がないと、攻めることも守ることもできないと言われており、このシンプルながらも重要な駒の有無が、ゲームの勝敗を大きく左右することが指摘されています
一歩千金
格言「一歩千金」は、将棋における「歩」という駒の重要性を強調しています。
この格言は文字通りには、一歩(歩の駒)が非常に価値があることを示しており、歩がなければ歩の手筋も使えないと教えています。
ポイント
歩は価値が低い駒とされていますが、ゲームの終盤では歩の有無が勝敗を分けることもあるため、歩を大切に使うべきで、相手に歩を渡さないことが重要です。
具体的な局面において、歩は金将以上の価値を示すこともあり、歩を軽視してはいけないという指摘があります。
また、歩は最も弱く価値が低い駒であるとされていますが、局面によっては「金」以上の働きをするという意味がこの格言に込められています。
初級者の間では、歩の一枚や二枚取られても大きな問題にはならないかもしれませんが、プレイヤーが強くなるにつれ、歩の持つ意味が大きくなるとされています。
この格言は、「歩のない将棋は負け将棋」という格言とも関連があり、将棋の戦術と戦略において歩の重要性を強調しています。
金は斜めに誘え
将棋の格言「金は斜めに誘え」は、金将(金という駒)の動きの特性を利用し、敵の金将を戦術的に不利な位置に動かすことの重要性を教えています。
この格言の基本的な解釈は、金将を斜めに誘引することで、その動きを制限し、敵の守備を弱めることができるというものです。
具体的には、金将は前方3方向に移動できる一方で、後方には真後ろ1方向にしか動けないため、斜め前に誘うことでその能力を半減させることができます。
この戦術は、固そうな相手の守備でも攻略できる可能性を高めます。
また、この格言は、「銀は千鳥に使え」との対をなすものと考えられているようで、金将が斜め下に移動できないという弱点を利用して、敵側から見れば、相手の金の弱点を大きくするために斜めに誘うのが有効な手段とされています。
特に、玉の側にいる金を攻めることが重要であり、これは矢倉に限らず、美濃やそれ以外の囲いでもしばしば発生する攻めの基本であるとされています
敵の打ちたいところへ打て
将棋格言「敵の打ちたいところへ打て」は、相手が次に動かしたいと考えているマスに、自分の駒を先に打つ戦術を指しています。
具体的には、この格言は、相手が動かしたいと考えているマスに自分の駒を打つことで、相手の戦術を妨げ、有利な局面を作ることができると教えています。
この格言は、「先にこちらから打ってしまえ」という意味であり、これは少々いじわるな格言とも評されています。
チェックポイント
さらに、この格言は、相手にとって重要なマスは、自分にとっても重要であるという原則を示しています。
この格言は、相手の手段を消すため、または相手の駒を利用して攻め続けるための重要な戦術を提供しています。実際の将棋の局面で、この格言に従うことで、相手の計画を狂わせ、勝利に近づくことができます。
両取り逃げるべからず
将棋格言「両取り逃げるべからず」は、プレイヤーが両取りの局面に直面した際の戦術についての助言を提供しています。
両取りは、2つの駒が同時に脅かされている状況を指します。この格言は、両取りの局面でどちらの駒も逃げずに、駒を取らせている間に効果的な一手を指すことを勧めています。
また、両取りといっても同時に2枚の駒は取れないため、どちらかの駒は必ず取られてしまうことから、他の有効な手を指すことで局面を有利に進めることができるということです。
大駒は近づけて受けよ
格言「大駒は近づけて受けよ」は、将棋の戦術における重要な原則を教えています。
この格言は、大駒(飛車や角行)の動ける範囲が広いため、遠くからの攻撃に効果的であると説明しています。
しかし、大駒が近くで攻められると、逃げるしか選択肢がなくなる可能性が高いです。だからといって、大駒を一度近くに移動させてから守る方が賢明であると助言しています。
また、飛車や角は、引き寄せてから守るべきであり、これにより大駒は撤退せざるを得なくなり、プレイヤーの手番が回ってくる可能性が高くなります。
この格言は、特に1手争いの終盤戦で有用であり、特定の局面で王手をかける際に考慮すべき戦術です。
馬の守りは金銀3枚
将棋の格言「馬の守りは金銀3枚」は、馬という駒の守備能力と、金と銀という駒を使った守り方に関する洞察を提供しています。
この格言の核心は、金と銀の駒を適切に配置することで、強固な守りを構築できるという点にあります。
具体的には、金2枚と銀1枚を使用して王を守ることが推奨されており、この配置は堅牢な守りを形成し、激しい攻撃に対処する能力を提供します。
このことから、馬は守備に非常に効果的な駒であり、馬が守りに参加するだけで、金銀3枚の守りに匹敵するほど強力であると理解されています。
ポイント
さらに、この格言は、将棋の基本的な戦術と戦略を示すものであり、攻め駒と守り駒のバランスを理解し、それぞれの駒を最適な方法で使用することの重要性を教えています。
攻めの駒が飛角銀桂である場合、玉の周りに配置する守り駒は金2枚と銀1枚となることが理想的であり、これは多くの戦型での理想的な形とされ、将棋の基本的な考え方と一致しています。
実戦で役立つ将棋格言ランキング
実戦で特に役立つと思われる格言をランキング形式で紹介します。
1位 玉は包むように寄せよ
将棋格言「玉は包むように寄せよ」とは、単に一方向から敵の王を攻撃するのではなく、敵の王を包囲するようにして攻める重要性を教えています。
具体的には、単一の方向から敵の王を追い詰めると、捕まえるのが難しいとされています。しかし、敵の王を複数の方向から攻めることで、効果的に捕まえることができるという意味が込められています。
この格言は、敵の王を攻める際の戦術的な考え方を示しており、特に中盤から終盤にかけての王様を追い詰める時の考え方に重要となります。
王を包むように攻めるということは、相手の王に逃げ場を与えないようにすることを意味しています。このため、相手の王を追い詰める際には、攻めの方向を変えながら、敵の王に逃げ場を与えないようにすることが重要とされています。
また、この格言は「王手は追う手」という格言と関連が深く、両方とも将棋の基本的な戦術を理解する上で重要な教えとなっています。
2位 終盤は、駒の損得より速度
将棋の格言「終盤は、駒の損得より速度」という言葉は、ゲームの終盤においては駒の損得よりもゲームの速度が重要であることを教えています。
具体的には、対局の中盤までは駒を損なわずにむしろ駒を得るように努力することが推奨されます。
しかし、終盤においては、駒の損得を考えるよりも、いかに速く相手の玉を詰ませるかを考えることが重要になります。この格言は、中盤では駒の損得が重要であるが、終盤では寄せの速度が重要であると説明されています。
ポイント
この格言は、終盤・寄せに関連し、一手を争う終盤では、駒を多く取ることよりも、早く玉を寄せることが先決であるということを強調しています。
また、実戦における「速度」とは、詰将棋とは異なり、自分の玉と相手の玉、両方の状況を正確に見極める必要があり、これは意外と実践しづらい格言であるとも指摘されています。
しかし、正しい速度計算を理解し、習得することで、勝利につなげることができます
3位 4枚の攻めは切れない
将棋格言「4枚の攻めは切れない」は、攻める際に使用する駒の数に対する指針を提供します。この格言は、攻める際に4枚以上の駒を使用すると攻めが切れにくくなる、と教えています。
この格言は、攻めている時の一つの指針となります。攻めている時は気持ちのいいものですが、大駒を切ってしまった後、頑強に受けられて、切れそうになってしまう時もあります。
具体的には、相手の陣地を突破したり、相手の玉を寄せたりするためには、攻め駒を4枚以上にしておくと攻めが切れにくくなるとされています。
原則として、盤上の駒に加えて持ち駒もカウントされますが、歩は通常除外されます。ただし、歩が重要な拠点であったり、と金になる見込みが高かったりする場合はカウントしても良いとされています。
ポイント
4枚というのはあくまで目安であり、お互いの駒の働きによっては3枚以下でも攻め切ることができる場合もあります。
しかし、相手が正確に受けてくると難しいことが多いため、攻めがうまくいくかどうか読み切れない場合は、攻め駒の枚数を確認し、3枚以下であれば踏み込む前に力を溜めた方が無難であるとアドバイスされています
4位 金底の歩岩より堅し
将棋格言「金底の歩岩より堅し」は、将棋の盤上における防御戦術の重要性を教えています。この格言の文字通りの意味は、「金の下に歩を置く」ことを推奨しています。
具体的には、金が2段目にあり、その下に歩を置くことを指しています。この配置は、特に敵の飛車による横からの攻めを遮断する場面で重要とされています
この強固な防御は、飛車の横からの攻めを遮断し、攻めを手こずらせる効果があります。
例として、敵が飛車で攻めてきた場合、金と歩の連携によって飛車の攻めを遮断し、反撃のチャンスを作ることができます。
メリット
さらに、この防御戦術は時間を稼ぐことができ、その間に敵陣を攻め落とすチャンスを得ることができます。
将棋の盤上において、一段目に歩を打つことを「底歩」といい、金の真下に歩を打つことを「金底の歩」と言います。
5位 玉は下段に落とせ
将棋格言「玉は下段に落とせ」は、寄せの段階において相手の玉を盤面の下側、すなわち下段に追い込む戦術の重要性を強調しています。
この格言は、終盤戦における玉の位置とその捕獲の容易さに直接関連しています。
寄せの際に相手の玉を下段に追い込むことで、玉の動きが制限され、捕獲が容易になります。下段に追い込まれた玉は動きが限られるため、これにより玉の捕獲が効率的に行える可能性が高まります。
このように、格言は玉の位置が寄せの効率と成功にどれだけ影響を与えるかを示しているのです。
おすすめの将棋格言本3選
目からウロコ!今どき将棋格言
書籍「目からウロコ!今どき将棋格言」は、将棋の古今の格言を通じて正しい指し方を明快に示す内容で構成されています。
青野照市著者によるこの書籍は、将棋格言を3つのカテゴリに分けて取り上げています。
それは、著者オリジナルの新格言、既存の格言を現代の将棋に合わせて表現を変えバージョンアップした格言、そして古今不変の格言です。
いくつかの新しい格言は著者自身が作成し、その知恵は著者の体験から生まれたものになります。
青野照市著者が提供する新格言の例としては、「鼻をかむ前にメガネを拭け」「おいしい駒とまずい駒」「王手の八割は悪手」「敵の逃げたい場所に打て」といったものがあります。
これらの格言は、古くから伝わる将棋の知恵を現代のプレイヤーに伝えるだけでなく、新しい視点を提供し、現代の将棋の環境に合わせてアップデートされたものとなっています。
また、格言を通じて将棋の基本的な原則や戦術を理解することで、プレイヤーはより効果的な対局を展開できるようになるでしょう。
渡辺明の 勝利の格言ジャッジメント 飛 角 桂 香 歩の巻
渡辺明による「勝利の格言ジャッジメント 飛 角 桂 香 歩の巻」は、将棋ファンに向けた、飛車、角行、桂馬、香車、歩兵の各駒に関連する格言を探求した書籍です。
この書籍は、各駒の特性や戦術に焦点を当て、これらの格言がどのようにプレイヤーの戦術や戦略に影響を与えるかを考察しています。
この書籍の中で渡辺明棋士は、多くの将棋の格言について現代的な視点から分析し、それらの格言がどのようにトッププロの将棋プレイヤーによって評価されているかを明らかにしています。
特に、振り飛車に関連する格言や実戦での格言の適用について深く探求しており、読者に対して振り飛車や居飛車の戦術を理解する手助けをしています。
また、この書籍は、Eテレの「将棋フォーカス」で2015年10月から2016年3月まで放送された講座「渡辺流 勝利の格言ジャッジメント」の放送テキストを基に、加筆・再構成されて単行本化されたものであり、将棋の理解をさらに深める内容になっています。
渡辺明の 勝利の格言ジャッジメント 玉 金 銀 歩の巻
渡辺明の著書「勝利の格言ジャッジメント 玉 金 銀 歩の巻」は、将棋の格言について現代的な視点から分析し、評価する内容となっています。
この書籍は、渡辺明の 勝利の格言ジャッジメント 飛 角 桂 香 歩の巻の姉妹本です。2冊揃えることで各駒についての格言を網羅できます。
将棋の格言は数多く存在するものの、時代と共に感覚や考え方が変化するため、格言の真実性を渡辺明氏が現代的な視点から判断し、紹介しています。
各巻には50余りの格言が収載されており、将棋ファンにとっては必読の一冊とされています
書籍の内容に関しては、将棋の格言が多数存在する中で、その格言が実際にはどれだけ真実であるのか、そして昔と今とで感覚や考え方がどれだけ違うのかを渡辺明氏が現代的な視点から分析し、評価を行っています。
また、書籍は将棋界の第一人者による判断を含んでおり、将棋ファンにとっては非常に価値のある内容となっています。
まとめ
この記事では、将棋の格言について詳しくご紹介しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 将棋の格言は、戦術や戦略、心構えを短い言葉で表現するものであり、それを知ることで局面で何を考えるべきかがわかりやすくなります。
- 格言は「覚えやすいテクニック」のようなもので、特に時間が限られている状況で役立ちます。
- 状況判断を速くし、最適な行動を導き出すために格言は非常に有用なツールです。
将棋の格言では、瞬時の状況判断とその後の適切な行動が重要なポイントとなります。
将棋では、ぜひこのポイントを押さえて、効率的な局面判断をしてみてください。
将棋の入門記事をさらに詳しく知りたい方は、はじめて将棋を指す!最初の一歩としての入門必読記事まとめもどうぞ。
この記事を書いた人
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10代で将棋のルールを覚えるも、定跡の存在を知らず挫折する。大人になって将棋熱が再燃し、詰将棋や定跡を猛勉強。将棋サイトに登録し、ノンストップで 将棋ウォーズで5級まで到達しました。その後も学習を続け、2級、1級と昇級しましたが、1級で長く伸び悩みました。PDCAサイクルを導入したり、師匠に教わったりして、ついに初段に昇級。現在は指し将棋は休止中にし、将棋ブログを執筆しています。
将棋歴:11年/段位:アマチュア初段
資格・実績:将棋ウォーズ初段の達成率最高86%/将棋倶楽部24は最高R716
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